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メッセージボトル (すたきゅーぶろぐ)
子どもがいた。
子どもはピカピカの"ものさし"をもっていた。
世界にはたくさんのおもちゃが転がっていて、
彼は気に入った寸法のものを見つけると夢中で遊んだ。
ある日のことだった。
彼の前に奇妙な動物たちが現れた。
動物たちは異なる姿をしていて背丈もまちまちだったが、
彼らも皆"ものさし"をもっていた。
彼らの"ものさし"はどれも切断や溶接をした形跡があり、
すすけて錆びていたがどれも同じ長さだった。
ある動物が話しかけてきた。
『どれどれ?その"ものさし"は使いにくかろう。
私たちが使いやすくしてやろう。』
他の動物も話しかけてきた。
『これは君の幸せのためよ。
みんなが同じ"ものさし"を使った方が効率が良いもの。』
更に別の動物が言った。
『それが大人になるということさ。』
子どもは"ものさし"を彼らに差し出した。
いつの間にか地面にうつる影が伸びた頃、
彼は"ものさし"で影の長さをはかろうとして呟いた。
『俺の"ものさし"って、こんなだったっけ?
昔はつぎはぎや傷もなくて、もっと光沢もあった
気がしたけれど…。
俺がもっていた"ものさし"がどんなものだったか、
あいつらに尋ねてみよう。』
彼は群れにもどり、かつて自分がもっていた"ものさし"の
特徴を訊いてまわったものの、誰1人覚えているものは
いなかった。
途方にくれた彼は自分の巣穴に返った。
『せめて何か昔のメモでもあればなぁ…。』
彼は記憶を頼りに巣穴を探しまわった。
『これは…?』
押し入れの奥から昔遊んでいたおもちゃが
転がり出てきた。
昔の"ものさし"だとこのおもちゃはこれくらいの
長さだった気がするけれど…。
もはや、どこまでが自分の"ものさし"で
どこからが他の動物たちが手を加えたものだったのか
不明瞭だったが、
彼はどうしてももう一度自分の"ものさし"が見たくなって
工具を引っ張りだした。
そんな彼を見て他の動物たちは笑い、
もうこいつはもう群れにはいられないと思った。
群れが水と食料を求めてその地を去った後も
彼は作業を続けた。
夢中で"ものさし"を復元する彼の顔は子どものように
ピカピカと輝いていた。
すたきゅー
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